diy blogDIYブログ

【施工編】IKEAビルトイン食洗機「ガルメソース」付きキッチンをDIY

前回の記事「準備編」はこちらから

まずは、改めてbefore/afterを確認。

After

Before

ということで施工開始。

※使用した材料は最後にまとめました

解体

気合いで天井、壁、床を解体。

シロアリに食われた柱を継ぐなど、適宜対応しました。

電気工事

単独回路は以下の通り。

  • IH用 200V 30A(E-VVF 2.6mm-2c + アース線):コンセントはWK36301Wを使用
  • 食洗機用 200V 20A(VVF 2.0mm-3c):コンセントはWKS294を使用
  • 電子レンジ用(VVF 2.0mm-3c)
  • 冷蔵庫用(VVF 2.0mm-3c)
  • エアコン用(VVF 2.0mm-3c)
  • レンジフード用(VVF 2.0mm-3c)

回路が足りないので、Panasonicのプラスばんを使用し、分電盤を増設しました。
※IH用に200V30Aのブレーカーが必要なので注意。

分電盤の増設方法は、こちらの動画を参考にしました。
https://youtu.be/5cRnRT5n-rw?feature=shared

  • インターホン
  • 給湯器の壁付けリモコン
  • 各種コンセント
  • 照明(2mライティングレール)
  • 照明用の3路スイッチ

などの配線も行いました。

キッチンの正面に2つコンセント(Sプレート)を配置したのがこだわりポイントです。

Sプレート

インターホンの配線について

今までのDIYにおいて、電気配線で使うケーブルのほとんどはVVFでした。
しかし、インターホンなどの機器の配線では、電源以外にも情報通信を担うケーブルが必要だったりします。

インターホンの場合は、親機〜子機間をつなぐチャイムコードが必要でした。
チャイムコードはこちらを購入(型番:TIVF-20H)

チャイムコード

また今回採用したインターホンは、電源直結型タイプだったので、親機に直接電源(VVF)を接続しました。

給湯器の壁付けリモコンの配線について

給湯器 〜 リモコン間をつなぐコードが必要でした。
こちらのVCFを購入(型番:VCT-F 0.5sq×2c JP)

リモコンの場所を遠くに変えるため、コードを延長する必要があったので、以下のように対応しました。

1. 給湯器のコンセントを抜く

2. 既存のコードと新しいコードを圧着接続端子で接続

3. チューブをライターで熱して保護

4. 白黒同じ処理をしてビニールテープでまとめる

仕上がり

インターホン・給湯器リモコンは最終的にこんな仕上がりに。

天井、床、壁の施工

大苦戦した天井

準備編にも記載した通り、消防法の関係で、レンジフードを設置する部分の天井高を2400mmに上げました。

ただ、丸太が2本出っ張っていた、かつ、勾配天井だったのでかなり苦戦しました。

また、天井裏の電気配線の分岐点(ジョイントボックス)が集まる部分2箇所に、点検口を設置しました。

根太からやり直した床

既存の床を剥がすと、なかなかに雑な下地が出てきました。

レベルが悪いのと、水道配管の位置と干渉したため、根太からやり直しました。
後々、水道配管がしやすいよう、一部分は合板を貼らず、配管後にビス止めしました。

また、水道配管が密集する部分に床下点検口(600mm)を設けました。

床下の水道配管

まずは最終的な仕上がりを見て、全体を把握しましょう。

仕上がり

シンク
シンクの下
  1. 食洗機用排水床立ち上げ:VP40(FL+400~500)
  2. 食洗機用給水床立ち上げ:420mm ストレート止水栓 + フレキ管
  3. 給湯床立ち上げ:150mm ストレート止水栓 + フレキ管
  4. 給水床立ち上げ:150mm ストレート止水栓 + フレキ管
  5. シンク用排水床立ち上げ:VP50(FL+150)
  6. 食洗機用コンセント:200V20Aアース付コンセント(推奨:WKS294)(FL+600)

※一般的な食洗機の排水管は、耐熱性の高いHT管などを使用するのですが、この食洗機は普通のVP管でOK、かつ、給湯は不要ということでした。

床下の状況

また、床下は以下のようになっています。

床下の水道配管

寸法

続いて、床に立ち上げる際の寸法は、IKEAから頂いた資料をもとに、以下のように決定しました。

シンクの中心を基準にした寸法

食洗機と水栓の配置について

ここまで見ると、なぜ水栓の配管は真下ではなく、わざわざ反対側の遠いところに位置しているのかと思われるかもしれません。
その理由は食洗機の仕様にあります。

IKEAの担当者さんから施工説明を受けた際に、
食洗機の仕様上の理由から「食洗機本体 〜 排水管・給水管 の距離をなるべく長くする」ことを推奨されました。

今回はシンクの右側に食洗機を配置するため、食洗機用の配管はなるべく左側に寄せて距離を稼ぐことにしました。

この時、シンクの右側に水栓を配置すれば、水栓の真下に配管がきて理想的なのですが…

今回は左側に水栓を配置したかったため、食洗機の配管と干渉しないよう、水栓の配管を右側に寄せざるを得なかったのです…

架橋ポリエチレン管(ポリ管)の取り扱いについて

ポリ管を扱うのが初めてだったので調べたことを要約しておきます。

  • 呼び系は「13A」を選んでおけばOK
  • まっすぐカットするために樹脂管カッターを使った方が良い
  • ポリ管同士の接続には「エスロカチットS」シリーズのソケットがおすすめ
  • VP管→ポリ管の変換アダプターがある
  • 資材の購入には配管部品.comがおすすめ

施工の手順

この段階では床下の配管工事まで終わらせておきます。
水栓や食洗機などと接続するのは、内装工事が終わってからになります。

1. 床に墨出し・穴あけ

2. 上水道の元栓を閉める

3. 給水

既存の給水であるVP管を、アダプターを使って、ポリ管に変換。

水栓用と食洗機用に分岐させ、それぞれ床出し、テストプラグをしておきました。

配管付近にはフローリングを貼らないので、床出しのソケットは、そのまま合板にビスどめしました。

テストプラグ

4. 給湯

既存の給湯はポリブデン管だったので、ポリ管で延長し、床出しにしました。

※給湯なのに青いポリ管なのは気にしない…

5. 元栓を開いて開通テスト

この時点で水漏れがないかチェックしておきます。

6. 排水

2/100勾配を確保しつつ、食洗機用とシンク用に分岐させました。

また、勾配の調整がしやすそうな支持金物を使用しました。

立ち上げたVP管から水を流してチェックした後、シンクや食洗機と接続するまで、養生テープでフタをしておきました。

7. ひとまず完了

内装

クロス

使用したクロスは サンゲツ SP9729

SP9729

キッチンパネル

キッチン周りは、アイカ工業のセラール FAN1966を貼りました。

FAN1966

貼る際には、セラールの専用接着剤専用テープが必要なので注意です。(専用テープだけはケチってモノタロウブランドのテープを使いました)
また、キッチンパネルの末端は、専用見切り材(アルミ製)でカバーしました。

アルミの見切り材

フローリング

複合フローリングを貼りました。
配管が床から立ち上がっている部分は、最終的に隠れて見えないので、フローリングは貼っていません。

キッチン組み立て

付属の説明書の通りにひたすらユニットを組み立てました。

この時「蹴込み板」をつけることをお忘れなく

蹴込み板

キッチン穴あけ

シンク下のユニットは、水道配管のため穴あけが必要になります。

キッチンを据えつけると上図のようになります。
位置をしっかり確認しながら、丸ノコ等で開口しておきます。

また、今回はシンクの右側に食洗機を設置するため、矢印で示した部分に、食洗機の配管用の穴をあけておきます。

食洗機の組み立て

食洗機 ガルメソースの組み立ては、付属の施工説明書を見ながら特に問題なく行うことができました。

ただ、トルクスドライバーという特殊なドライバーが必要だったので、別途購入しました。

キッチン据え付け

1. レール取り付け

レーザーで水平を出しつつ、レールを取り付けました。
必ず壁内の間柱にビスどめしましょう。

2. キッチンをレールに接続

キッチンのユニットを1個づつ据えていきました。
最初にシンクのユニット → 食洗機のユニット → その他のユニット、の順に据えていくと楽です。

食洗機のユニットを据える際には、シンクのユニットに開けておいた穴に配管を通しながら、かなり慎重に行いました。

3. ユニット同士をビスで固定

説明書に従って、隣接したユニット同士を付属のビスで固定しました。

4. ワークトップ設置

ワークトップをユニットの上に載せ、付属の金具とビスで固定しました。
ワークトップはシンク一体型でとても重かったので、1人だと厳しいかと…

ちなみにこのワークトップは、IKEAの方で、IH用と水栓用の穴あけ加工済です。
穴あけ加工には、プラスで7,000円(税別)ぐらいかかりましたが、ステンレス製ということもあり、頼んで正解だったと思います。

発注書から抜粋

5. IH設置

コンセント(200V)を接続し、上からスポッとはめました。
IHに付属していた金具とビスで、ワークトップに固定しました。

当然、ユニット背面に穴を開け、ケーブルを通し、コンセントを設置することになります。
この際にコンセントの向きに注意しましょう。

6. 水栓設置

説明書に従って、ワークトップの穴に水栓をはめて固定しました。

ここまでできたら、最後の山場、配管を接続していきます。

配管の接続

以下の材料を使って配管を接続しました。

オレンジ色で書いた材料は自前で用意しました。
赤色で書いた部分は、食洗機やシンクの付属部品を組み立てる形になります。

ネジ山には白いシールテープを巻きますが、やり方についてはYouTubeにたくさん載っています。

巻き方のポイントとしては

  • 時計回りに8〜13周
  • 最初の2山は巻かない

を守っておくと良いかと思います。

食洗機の配管の注意点

給水の止水栓

施工説明書では止水栓に「カップリング付き横水栓」が指定されていて、接続の際タケノコを外すなどと書いてあり「?」となりました。

施工説明書から抜粋

もとからついているものを外して使うのはよくわからなかったので、ストレート形止水栓とU字に曲げたフレキ管で代用することにしました。

ホースの向き

仕様上の理由で、排水ホースと給水ホースは、それぞれ矢印で示したように上向きに接続することが推奨されていたので注意です。
この辺は施工説明書を読んでください。

レンジフードの取付

消防法の観点から注意点がいくつかあります。
ただ、このあたりの内容は自治体によって決まりごとが違ったり、グレーな部分があるようなので、自己責任でお願いします。

注意点

フレクシブルダクト(ジャバラのダクト)はなるべく使わない

アルミ製フレクシブルダクト

このようなジャバラのダクト(特にアルミ製)は、凹凸のせいで空気の流れが悪く、油脂が溜まったり腐食しやすいそうです。
実際に、東京都では使用が禁止されているそうです。

スチール製のスパイラルダクトをおすすめします。

可燃物(壁下地や天井下地などの木材)〜 ダクト間の距離を10cm以上離す

※ただし、「50㎜以上の特定不燃材料で排気ダクトを被覆する」ことで、10cm未満とすることができます。

しかし今回は

  • 10cm以上離すことができない
  • 不燃材(ロックウール等)を50mm以上被覆すると、壁の開口が大きくなり、寸法が合わなかった

ということで、いろいろと調べた結果…

不燃材「セラカバーS」を採用

この資材は厚さ20mmで、ロックウール50㎜と同等以上の性能を発揮することが認められているのです!
両面テープ付きだったので施工も楽でした!おすすめです。

配管の手順

1. 壁の開口

レンジフードの施工説明書に開口寸法が記載されています。

排気ダクトは雨水の侵入を防ぐため、1/100以上の勾配が必要です。
壁を開口する際には、ドリルを少し傾けて、斜めに穴を開けた方が良いです。

2. レンジフードを加工

壁出しにする場合には「L型ダクト」というオプション製品の使用が推奨されていました。

このL型ダクトを取り付けた後、スパイラルダクトとセラカバーSをカットし、本体に取り付けます。

加工後

3. レンジフードを設置

本体を壁にビスどめします。

4. L字ジョイントと接続し外壁へ

排気可能な外壁との位置関係のため、エルボでL字に曲げる必要がありました。

エルボとの接続部分にはアルミテープを巻き、セラカバーSを被覆しました(画像では露出してるけど)。

5. 外壁に換気口を設置

※コーキングは後日やります(たぶん)

6. 施工説明書に従ってレンジフードを組み立てれば完成

仕上げ

キッチンパネルには防カビのコーキングを打ち、
IHコンロの周りには、それ専用のコーキング「コンロのスキマフィル」を打ちました。

完成

前回の記事「準備編」はこちらから

費用

  • キッチン・設備:約60万円
  • フローリング:約7.5万円
  • 木材・合板・石膏ボード:約17.5万円
  • 内装材:約3万円
  • 電材:約11万円
  • 配管部品:約2.5万円

その他諸々計算して…

合計:約110万円

期間は4ヶ月半かかりました。

使用した主な材料

電気工事

分電盤の増設

インターホン・給湯器リモコン

コンセント

照明

  • 2m ライティングレール:東芝 NDR0212
  • ライティングレールのエンドキャップ:東芝 NDR0232
  • ライティングレールのフィードインキャップ:東芝 NDR0231

水道配管工事

内装

食洗機の組み立て

キッチン

IKEA製品

IKEAで購入したすべての商品は以下の通り

排気ダクト工事

その他

  • 床下点検口:45522181(モノタロウ)
  • 天井点検口:53330595(モノタロウ)

参考にした動画やブログなど

本当に助かりました、ありがとうございました。